今の時代にぜひ知っておきたい、テレワーク時の脳のはたらき

ちょっと知っておくと、日々はたらくなかでも、健康管理がしやすくなる。
仕事で疲れを感じたときにも、自分なりに軌道修正したり、からだやこころをととのえやすくなる。

Yuki自身がこれまでの「はたらく」経験の中で培ってきた知恵も織り込みながら、あなたの Well-being 力を刺激する記事をお届けします!

オフィスではたらくときと、何が違うのか

コロナをきっかけに、急速に導入が進んだテレワーク。

オフィスで上司や同僚とともに仕事をするとき、あるいは、自宅などからリモートワークを行うとき、それぞれの場面でわたしたちの働き方にどのような違いがあるのでしょうか。そしてそれは、脳の使い方にどのような影響を与えているのでしょう?

yuki

私も会社員時代、テレワークしていました。多いときは週1程度。

yuki

今は毎日の人も多いですよね。この記事では、テレワークの「特性」について、脳の観点からとらえてみましょう

仕事をするときの、脳のはたらき

わたしたちは、普段「はたらく」場面において、ものごとを論理的に捉える、データを分析する、相手に理解してもらうよう伝える、などといったアクションを積み重ね、チームや組織としてどのように成果につなげるか(しいては、どのように社会に貢献するか)といった視点で日々活動しています。

近年、デザイン思考や両脳思考をビジネスに取り入れ、「左脳/右脳」「論理/直感」といった、両者(二項)をバランスよく統合しながら新しいものをつくろうとする機運の高まりもみられますが、論理的思考や数的処理といった機能を中心に担う左脳(言語脳)を主に用いる働き方が、まだまだ主流ですよね。

テレワークは、楽?しんどい?

いぬくん

テレワークだと、通勤がないのは、なかなか快適だよねー!

ねこさん

そうだけど・・・1日中パソコンの前に座って、ずっとメールやオンラインミーティングばかりだと集中力が続かなかったり、かと思うと、どこまでも際限なく働いちゃったり。

ねこさん

けっこう自分との戦いでもあるわ・・・

yuki

わたしたち一人ひとりの、日々の「働き方」と「仕事上のコミュニケーション」にとくに大きな影響を与えているよね

オフィスで働くよりも、ことば(言語)情報の度合いが強まるテレワーク

テレワークの最大の恩恵、それは テレ(離れている)+ワーク(働く)という名称からもわかるように、物理的に離れている場所で仕事をすることを可能にする点です。

いぬくん

電話も「Telphone」テレ(離れている)+フォン(音)だ、そういえば!
電話=離れていても音を伝えるツールだもんね

では、オフィス、もとい、上司や同僚たちと、物理的に離れて仕事をすすめることは、

オフィスに出勤する場合と比べ、私たちがはたらく上でどのような「ちがい」をもたらしているのでしょう?

コミュニケーション上の違い

ここでは、職場でのコミュニケーションを例に、考えてみます。

ミーティング中のひとこま

オフィスで仕事をすすめる場合には、同じ空間に上司や同僚もいることが多く、「ちょっといいですか?」と話しかけて相手に確認をとったり、承認サインをもらったり、また、会議スペースで打ち合わせを行ったり。

相手の顔をみて直接コミュニケーションをとることができるので、たとえば「今の説明だと分かりにくいようだから、この図もあわせて見てもらおう」などと、相手の反応をみながら、説明の仕方や話し方を柔軟に工夫することができますよね。

では、テレワークの場合は、どうでしょうか。

man_working_with_online
パソコンとひたすら向き合う

お互いに物理的に離れているので、マイク越しの声や画面越しの表情はみえるものの、対面時よりは、相手の様子は「みえにくく」「感じにくく」なります。伝える上でも、身振り手振りや、図やグラフ・手書きメモなどの補完的情報もマイクや画面を介して相手に届くことになるため、やや「伝えにくく」なるかもしれません。

このように、目の前に相手がいないので、オフィスでは視覚を通して気軽に提供できていた分の情報が大幅に減ります。「イメージ」を活かした会話よりも、メールや電話、オンラインミーティングを介した「ことば」でのコミュニケーションの度合いが高まる、ということですね。

これは、専門的に表現すると、バーバル(言語的)コミュニケーションの比重が高い状態といえます。

 

これらを踏まえると、職場コミュニケーションについて、次のような “ちがい” がわかってきます。

  • オフィスでのコミュニケーション:
    ことば以外の、表情や仕草または図などの紙資料といった情報を手軽に合わせることができる。右脳がつかさどる体感覚やイメージも活用しながら、主体的な意思疎通を図りやすい。
     
  • テレワーク等のオンラインコミュニケーション:
    ことばでのやりとりが中心。対面時と比べると、コミュニケーションのやり方がやや限定的となり、左脳(言語脳)をフルに使ってききとったり、理解したり、伝えたりする必要性が高い。
yuki

表情や仕草、身振り手振りといった情報は、ことば以外のコミュニケーションということで「ノンバーバルコミュニケーション」ともいわれるよ

ねこさん

オンラインだと、ノンバーバルの部分が、対面と比べて減っちゃうのかぁ・・

ねこさん

どうりで、テレワークだと、話は伝わってはいるけれど、コミュニケーションがどこか物足りないというか、味気ないというか。”大変だな”と感じるのは当たり前なのねえ

いぬくん

チャットやメールでは、ことば、とくに文字をもとに伝えるから、後で読み返したりできていい面もあるけれど、対面に比べると相手の存在は遠くに感じるもんなあ

yuki

たしかに。オンラインで代替はできるけれど、聞く上でも話す上でも「コミュニケーションの質」が直に会うときとは若干異なることは、気にとめておきたいですね!

コラム「バーバルコミュニケーションとノンバーバルコミュニケーション」
 

働き方以外でも、学校・大学の授業や、ヨガや料理などの趣味の講座などでも、方法のひとつとして一般的になりつつあるオンラインミーティング。かつて、対面が主流だった場面がオンラインに置き換わることも多く、その結果、わたしたちのコミュニケーションの取り方にも少なからず変化がもとめられています。

こうした「コミュニケーション」の変化を捉えるうえで、今、改めておさえておきたい概念です。
 

【バーバルコミュニケーション】
言語ことば)によるコミュニケーション。

「話す」ことをはじめ、書いて文字で伝える「メール」や「テキストチャット」そして「手紙」などがこちらに分類されます。

 

【ノンバーバルコミュニケーション】
非言語によるコミュニケーション。

ことばを用いないコミュニケーションで、たとえば「表情」・「声色や高低」・「身振り手振り」など。腕を組む・びんぼうゆすりをするなどの「動作」全般も含まれる。また、「イラスト」、「絵文字」や「LINEスタンプ」などもこちらの分類となります。

yuki

きこえない私は、人と話すとき、バーバル(ことば)ももちろん必要ですが、ノンバーバル(ことば以外)の情報もめいっぱい活用して理解しています

yuki

だから、マスクやサングラスをつけている人と話すのは結構苦手。表情が見づらくなってしまうからな・・・

この記事では、テレワーク時の脳のはたらきや、コミュニケーションについて、「はたらく」場面を例にとってご紹介しました。

テレワークで働いている方は、普段のオフィスでの仕事以上に、ことばを司る「左脳」領域をよく用いながら、職場や関係者とのコミュニケーションをすすめ、業務をこなしているのですね。

いぬ(社会人)

ぼくたち、本当に毎日よくやっているワン!

「左脳」比重の高い、この働き方。
脳をはじめとするからだの負担を軽減するため、ぜひ意識したいポイントについては、また別記事にまとめたいと思います。

ねこさん

楽しみだにゃー。それまでちょっと休憩しよ

この記事を書いた人

ソニー人事(研修・人材開発)を約15年
→ オーストラリアへ語学留学・ヨガ
→2020年11月 フリーランスのキャリアコンサルタントとして活動開始。会社員と個人のおしごとの複業ライフを実践している。2022年はようやくインスタを開始してみたり英会話を楽しんだりする日々です。