新幹線ホームにて。
ホーム脇の扉乗降位置に立って、このあと乗る予定のくだりの電車をのんびり待つ。
ちょっと冷え込む夜だったので、片手にホットココアを握り、ストールに顔を埋めながら。
しばらくすると、向かい側のホームに、のぼり方向の列車が流れ込んできた。
ぼんやりと、その車体と、車窓越しに見える乗客たちを眺めるわたし。
停車に向けて、次第にスピードを緩める列車。
すると、
車窓に張り付いて外を見ている、ひとりの女の子と目が合った。
小学一年生ぐらいかな、お下げ髪。
窓ガラスにそえられた手はまだ小さいけど、ピンク色で柔らかそう。
一瞬のアイコンタクトに、気のせいかなあと思いつつも、楽しそうに駅の様子を眺める姿がかわいくて、思わず目と口がにんまりしてしまうわたし。
それが分かったのか、窓向こうの女の子も、心なしかわたしに視線を置いている。
左から右に流れるその列車と車窓の女の子の動きに合わせて、なんとなくにんまりしたまま、わたしの視線も左から右に。
にこにこと目を合わせながら、でも遠ざかるふたり。笑
女の子は体を斜めにして窓外をのぞきこみながら、ホームにいるわたしにそのまま茶目っ気たっぷりの視線を送ってくれ、でもやがて見えなくなった。
時間にすると、ほんの10秒かそれぐらいのできごとなんだろう。
でもなんだか、可愛いお友だちができたような気がして、心がほっこりした。
ことばが交わせなくても、目だけで交わせるコミュニケーション。
『あ!』
『うふふふこんにちは』
『あ〜(流れる)』
『げんきでね』
ことばにすれば、こんな感じなのかな。
可愛い出会いに感謝。
人生、一期一会。